【法人印には代表者印・銀行印・社判がある】
「法人印」は企業で使う印鑑の総称
「法人印」は法人(企業)で使用される複数の印鑑を総称したものです。「会社印」ともいいます。「法人印」には代表者印(会社実印)・会社銀行印・角印(社印)などがあります。
また、「社判」という言葉も「法人印」と同様に会社の印鑑全般を指す言葉ですが、会社によって代表者印を指すこともあれば、角印やスタンプ型の住所印を指すこともあるので注意が必要です。
ここでは、代表社印・会社銀行印・角印について順に説明します。
「代表者印」とは
代表者印は、その会社にとっての実印です。一般的に丸い印影で作られるので、「角印」である社判に対して「丸印」と呼びます。
法務局へ会社設立登記を行う際に登録した印鑑が代表者印となり、印鑑証明書は法務局が発行することになります。
公正文書や印鑑証明の添付が必要な書類等の作成に使われます。使用頻度は高くはありませんが、その会社の意思・決定を表す重要な印鑑です。
代表者印の印影
代表者印は丸印で、18mm~21mmのサイズで作られるのが一般的です。また、書体は主に篆書体か印相体が使われます。
外周に書かれているものを「回文」といい、ここに会社名が入ります。
内側は「中文」といい、ここに役職名として「代表取締役印」のような文言が入ります。
印面上部には文字の読み始めを表す「開始点(中黒)」があります。
「会社銀行印」とは
銀行や信用金庫など、各種金融機関との取引の際に使用されるのが「会社銀行印」です。
代表者印を会社銀行印として兼用することもできますが、会社の預金を管理するための重要な印鑑ですから、会社銀行印を代表者印とは別に用意するほうが安全です。また、通帳とは別の場所に保管したり金庫に保管したりするなどして、取り扱いに十分注意しましょう。
会社銀行印の印影
会社銀行印も代表者印と同様に、丸印で、18mm~21mmのサイズで作られるのが一般的です。また、書体も篆書体か印相体がよく使われます。
「回文」、「中文」、「開始点(中黒)」等、印影の構成は代表者印と同じものになりますが、「中文」には「銀行之印」のような文言が入ります。
「角印」とは
その印影の形状から「角印」と呼ばれます。
その会社にとっての「認め印」として使用され、最も使用頻度の高い印鑑です。請求書や領収書、その他会社発行の文書等に使用されます。社外の人の目に触れる機会が一番多い印であると言えます。
役所や銀行等に届け出る代表者印や会社銀行印と違い、どこかの機関への登録は必要はありません。
「角印」の印影
角印は正方形で、18mm~24mmが一般的な大きさです。
書体は篆書体や印相体のほかに、古印体や隷書体も人気があります。
古印体や隷書体は読みやすい字体ですので、どの会社の社判か分かりやすいことが人気がある理由です。
印影のバランスをとる為に会社名の後に「印」または「之印」をつけて作成されます。
法人印のまとめ
法人印も個人の印鑑と同じように、実印、銀行印、認め印の役割を持つ「代表者印」、「会社銀行印」、「角印」があります。これ以外にも割り印や住所印など会社で使われる印鑑にはさまざまなものがあります。その印鑑の意味と用途をきちんと理解しておきましょう。