【捨印はあらかじめ押された訂正印】

訂正が必要な際、契約者双方の手間をなくす

「捨印（捨て印）」とは、契約書の上部などの余白や、指定された箇所に押しておく印です。これは契約書を交わした後に訂正すべき箇所が見つかった場合、契約相手に訂正の確認をとらなくても訂正ができるようにするためです。誤字の訂正など契約内容に大きな変更がないような訂正をするようなときには、いちいち相手に連絡をとって訂正の確認をとるのは面倒ですので、「捨印」が押されていることは契約者双方の手間をなくすというメリットがあります。

 

「捨印」に使う印鑑は？

「捨印」に使う印鑑は、契約に使用したものと同じ印鑑を押します。

 

「捨印」を押すときは注意が必要

「捨印」はあらかじめ押された「訂正印」です。訂正箇所があった場合、「捨印」が押されている場所に「～文字削除、・・・文字追加」のように文言を添えることで、「捨印」が「訂正印」の役目を果たします。「捨印」は誤記載を改めるうえで、双方の手間を省く大変便利なものですが、契約内容まで書き換えられる可能性がないわけではありません。一般的には重要な契約部分の訂正（金額の訂正や、契約内容そのものの書き換え等）までは「捨印」のみによる加筆訂正は認められないと考えられますが、あとあとのトラブルを防ぐためにも、「捨印」を安易に押すことは避けたほうが無難と言えます。「捨印」を押すときには注意して押すようにしましょう。